年齢を重ねるとともに、全身の動脈は硬くなっていくため、心臓から全身に血液を送るためには高い圧力が必要となります。
このため、年齢とともに血圧は上昇します。
40歳を超えた方は、家に血圧計を準備し、家庭血圧を測定することをお勧めします。
血圧は緊張や飲酒、運動など様々な要素で変動しますので、正確な血圧値の評価には、家庭での定期的な血圧測定が必要です。
何度か測定した安静時の血圧が以下の場合には高血圧と診断されます。
血圧が高い状態が続くと心臓や血管に負担がかかり、心臓病や脳卒中を起こします。また、腎臓も細かい血管の集まった臓器ですので、腎臓にも負担がかかり、慢性腎臓病の原因となります。
上の血圧(収縮期血圧)が130mmHg未満だと心臓病、腎臓病、脳卒中などのリスクが低下するということがわかっています。
しかし、この基準を一律に適用するのではなく、患者さんの年齢や持病、ライフスタイルなどによって個人個人に合った適切な血圧の目標値を設定し、治療を行うことが重要だと考えています。
また、高血圧患者さんのうち、他の病気が原因で高血圧となっている「二次性高血圧」が約1割で認められます。
特に若い方の高血圧ではこの可能性が高く、注意が必要です。ホルモンの異常や腎臓の血管に狭窄があることで起こる高血圧です。血液検査やエコー検査で診断を行います。原因となっている疾患の治療を行うことで高血圧が改善します。
治療の大前提は生活習慣の改善です。
- 禁煙
- ウォーキングなどの適度な運動
- 野菜・魚類・大豆製品を中心とした食生活
- 食塩摂取量を抑える(1日の推定食塩摂取量をチェックしましょう)
- 診察時の尿検査で1日の推定食塩摂取量がわかります
- 節度のある飲酒(純アルコール20g/日)、週2日以上の休肝日
- 純アルコール量(g)=酒量(ml)×度数(%)×0.8
高血圧の治療に用いるお薬には様々な系統のものがあり、患者さん個人個人の病態に合わせてお薬を選択いたします。