花粉症は、I型アレルギーというタイプのアレルギー反応によって起こる病気で、主な症状としてアレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎があります。その他にも、皮膚の症状や全身の倦怠感などが現れることがあります。

花粉症の現状

現在、日本では約35%の人が花粉症に悩まされているといわれています。

特にスギ花粉症の患者さんが多く、その割合は増加傾向にあります。

また、子供の花粉症も増えており、特に5歳から9歳の子どもの患者さんの割合が大きく増加しています。

花粉症の原因となる花粉

主な原因となるのは、スギヒノキといった木の花粉や、イネ科ブタクサヨモギなどの草の花粉です。これらの花粉は、風によって運ばれるため、広範囲に飛散します。

木の花粉

ヒノキ科:スギ、ヒノキ。スギ花粉は1月から飛散が始まり、5月初旬には多くの地域で終了します。ヒノキ花粉は3月中旬から飛散が始まり、5月下旬に終わります。

カバノキ科:ハンノキ、シラカンバ。ハンノキ属の花粉は、1月から6月まで長期間にわたって観察されることがあります。シラカンバ花粉は、北海道で多く、4月中旬から6月にかけて飛散します。


草の花粉

イネ科:カモガヤ、オオアワガエリなど。イネ科の花粉は、3月から10月まで長期間にわたって観察されます。

キク科:ブタクサ、ヨモギ。ブタクサは7月から10月に開花し、ヨモギは8月から9月に開花します。

アサ科:カナムグラ。カナムグラの花粉は、8月から11月にかけて観察されます。

花粉症の症状

主な症状は、くしゃみ鼻水鼻づまり目の痒み充血涙目です。

その他に、皮膚の赤み痒み腫れ頭痛微熱だるさなどの全身症状が現れることもあります。

特に、鼻や目の症状はほぼ必ず現れるとされています。

花粉症が起こる仕組み

花粉が体の中に入ると、まず花粉に対するIgE抗体が作られます(感作)。

次に花粉が侵入したときに、この抗体が反応して、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、くしゃみなどの症状が起こります。

花粉症が生活に与える影響

花粉症になると、集中力思考力が低下したり、疲れやすくなったりすることがあります。

外出が億劫になったり、睡眠障害気分の落ち込みにつながることもあります。

花粉症の治療法

花粉症の治療は、症状を抑えるだけでなく、日常生活を快適にすごせるようにすることが目標となります。

薬物療法抗アレルギー薬ステロイド点鼻薬などを使って、アレルギー反応を抑えます。花粉が飛び始める前から薬を飲むと、症状を軽くできますので、お早めの受診をお勧めいたします。

アレルゲン免疫療法舌下免疫療法という、花粉のエキスを舌の下に含んで、体を花粉に慣らす治療法があります。この治療法は、花粉症を根本的に治すことができる可能性があります。

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花粉症の予防

花粉を避けることが大切です。

外出する際には、マスクメガネ帽子などの着用をお勧めします。

帰宅したら、服についた花粉を払い手洗いうがい洗顔をしましょう。

花粉の飛散時期を意識して、早めの受診、対策をしましょう。