月経困難症とは
月経困難症とは、生理中に生理にともなって起こる病的な症状のことです。
下腹部痛、腰痛、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、下痢、イライラ、憂うつなど多彩な症状があります。
初経から2〜3年の思春期の患者さんに多く見られるのが機能性月経困難症です。
子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンが過剰に子宮を収縮させることによって起こるものです。月経の1〜2日目に症状が強く出ます。
一方、30代から40代の患者さんに多いのが器質性月経困難症です。月経前から月経後まであらゆる時期に症状が出ることがあり、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症など原因となる病気が存在するものです。一度、婦人科の受診しておくことをお勧めします。
月経困難症の治療
鎮痛剤
生理痛は病気ではないから、、と我慢されている方も多くいらっしゃるのが現状です。
生理痛は我慢しても良くはなりません。鎮痛剤をしっかり使いましょう。
生理痛の原因となっているプロスタグランジンを抑える薬としては、主にロキソプロフェンとイブプロフェンがあります。アセトアミノフェンは作用機序が異なるため、効果が乏しいです。
また、ブスコパンという子宮の筋肉の収縮を抑えるお薬が有効なこともあります。
また、鎮痛剤は効果が出るまでに30分はかかりますので、生理中には1日3回飲むなど、痛くなる前に鎮痛剤を飲んでおくことが大切です。
漢方薬
生理痛を和らげる漢方薬の処方が可能です(保険診療)。
体質や症状に合わせて漢方薬を処方いたします。
飲み方のアドバイスもいたしますので、お気軽にご相談ください。
セルフケア
ストレスが月経困難症を悪化させることがわかっています。
無理をせず、ストレスから離れる、眠ることも重要です。
また、お腹をホッカイロで温めることも有効です。
低用量ピル(当院では行っておりません)
月経困難症に対する低用量ピルは保険適用です。
月経痛を半分に減らす効果があると言われています。
ただし、即効性はありませんので、飲み続けて2ヶ月ほどしてから効果が現れます。
婦人科での処方を受けていただくことをお勧めします。
月経前症候群(PMS)
生理前の3〜10日の間に続く精神的あるいは身体的症状で、生理開始とともに改善、消失するもののことをいいます。
<精神神経症状>
イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、不眠、のぼせ、食欲不振、過食、倦怠感
<身体的症状>
腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房のはり
月経前症候群(PMS)の治療
漢方薬
体質に合わせて漢方薬を処方いたします(保険診療)。
低用量ピル(当院では行っておりません)
低用量ピルのヤーズ(ドロエチ)には精神症状の改善効果があると報告されています。
婦人科での処方をお勧めいたします。