閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症とは

足の血管の動脈硬化による病気です。足の筋肉は、安静時に比べ歩行時にはより多くの血液を必要とします。しかし、動脈硬化によって足の血管が狭くなり、十分な量の血液がいきわたらなくなると、足の筋肉は虚血状態となります。これが歩行時のふくらはぎの痛みとして自覚されます。

どのような人に起こりやすいか

動脈硬化のリスク因子を有する方に起こりやすいです。

  • 60歳以上の男性
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 喫煙
  • 肥満
症状

典型的な症状としては、歩き始めてしばらくすると足が痛くなる、重くだるくなるというものです。中にはこむら返りやしびれを伴う場合もあります。また数分休憩すると症状が改善するというのも特徴です。進行すると、安静時にも痛みが出現します。さらに悪化すると、指先に潰瘍ができたり、壊死を起こしたりします。

診断

問診、触診などの診察を行った上で必要に応じて以下の検査を行います。

  • ABI/PWV検査(足関節上腕血圧比/脈波伝播速度検査)

ベッドに仰向けに寝た状態で両腕・両足首に血圧測定のためのカフを巻き測定します。検査時間は10分程度です。

足の血管の詰まり具合や推定血管年齢を調べることができます。

結果のプリントを当日お渡しいたします。

  • 血液検査:動脈硬化のリスク因子などをチェックします
  • 画像診断:血行再建(足の血流を改善させるためのカテーテル治療や外科手術)が必要となる可能性がある場合に施行します。当院では超音波検査などを施行した上で適切な医療機関にご紹介いたします。
治療
  • 動脈硬化のリスク因子の治療

まずは生活習慣の改善です。禁煙や食事療法、運動療法が重要となります。糖尿病や高血圧、脂質異常症に対しては、その治療を行います。

  • 薬物療法

足の血流を改善する作用のある飲み薬を使用します。

  • 血行再建(足の血流を改善させるためのカテーテル治療や外科手術)

運動療法や薬物療法の効果が乏しく、症状により日常生活に支障をきたす場合に考慮

ます。適切な医療機関をご紹介いたします。

バージャー病

バージャー病とは

バージャー病(Buerger病)は、血管の炎症(血管炎)により主に手足の動脈が細くなり、血流が足りない事による症状を起こす病気です。

どのような人に起こりやすいか

30〜40才代のアジア人男性、喫煙者に起こりやすい病気です。女性の発生は5%とまれです。

症状

手や足の指の冷え、痛み、潰瘍、壊疽などです。

診断
  • ABI/PWV検査(足関節上腕血圧比/脈波伝播速度検査)

ベッドに仰向けに寝た状態で両腕・両足首に血圧測定のためのカフを巻いて測定します。検査時間は10分程度です。

足の血管の詰まり具合や推定血管年齢を調べることができます。

結果のプリントを当日お渡しいたします。

  • 血液検査:動脈硬化のリスク因子などをチェックします
  • 画像診断:バージャー病が強く疑われる場合に施行します。確定診断には血管造影検査が必要となります。適切な医療機関をご紹介いたします。
治療
  • 禁煙

禁煙すると、病状は急速に回復します。バージャー病と診断された場合、禁煙は必須です。

  • 薬物療法

血管を拡張させる作用のあるお薬の投与を行います。

  • 血行再建(足の血流を改善させるための外科手術)

禁煙や薬物療法を行なっても日常生活に支障をきたす症状が残存する場合に考慮します。適切な専門医療機関をご紹介いたします。