
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。
とくに多いのは、のどの奥が閉塞して空気の通り道がふさがれる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」です。
主な症状
- 大きないびき
- 息苦しくて夜中に目が覚める
- 日中の強い眠気、集中力の低下
- 朝の頭痛や倦怠
これらの症状がある方は、SASの可能性があります。
放置するとどうなる
無呼吸状態が続くと血中酸素が低下し、体に大きな負担を与えます。
- 高血圧・不整脈・心不全などの循環器疾患
- 心筋梗塞や脳卒中のリスク増加
- 糖尿病、うつ、認知機能の低下
- 交通事故・労働災害のリスク増大
「いびきぐらい」と思っていた症状が、実は命にかかわる病気のサインかもしれません。
検査と診断の流れ
当院では、SASが疑われる方に対して以下の流れで診断を行います。
1. 簡易検査(自宅でできる睡眠モニター)
鼻と指先にセンサーを装着し、呼吸や酸素飽和度を測定します。
ご自宅で実施でき、費用も約3,000円と手軽です(保険適用・3割負担の場合)。
- AHI(無呼吸低呼吸指数)が40以上 → CPAP治療の適応
- AHIが40未満でも、症状が強く疑われる場合 → 精密検査へ進みます
2. 精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査/精密PSG)
こちらもご自宅で可能。脳波・眼球の動き・筋電図などを含めて詳細に評価します。費用は約10,000円(保険3割負担)。
- AHI(無呼吸低呼吸指数)が20以上 → CPAP治療の適応
- AHI20未満 → 生活習慣改善やマウスピース治療(歯科紹介)を検討
AHIってなに?
**AHI(無呼吸低呼吸指数)**とは、1時間あたりに呼吸が止まったり弱くなったりする回数のことです。
この数値によって、SASの重症度や治療方針を判断します。
まとめ
- SASは命にかかわるリスクを持つ病気です。
- 気になる症状がある方は、まず簡易検査から始めましょう。
- 当院では、検査から治療まで一貫して対応しています。
次回は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のCPAP治療についてお話しいたします。