
CPAP治療とは?
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対して行われる、最も一般的で効果的な治療法です。
「持続的に気道内圧を陽圧にする治療」であり、専用のマスクを通して、気道に空気を送り続けることで、睡眠中に気道が塞がるのを防ぎ、呼吸を確保する仕組みです。
睡眠時無呼吸症候群の治療でマスクを通して送るのは空気であり、酸素を用いることはありません。
CPAP治療の目的
- 無呼吸・低呼吸の回数を減らす
- 血中の酸素濃度を保つ
- 睡眠の質を改善し、日中の眠気や疲労感を軽減する
結果として、高血圧や心血管疾患などのリスクを下げることにもつながります。
マスクの種類
CPAP治療で使うマスクには、主に3種類あります。
お顔の形や呼吸のタイプ(鼻呼吸・口呼吸)によって、適切なものを選びます。
1. 鼻マスク(ノーズマスク)

鼻にだけ装着する標準的なタイプ。鼻呼吸が可能であれば第一選択となります。
2. フルフェイスマスク

鼻と口の両方を覆うタイプ。口呼吸が強い方や鼻づまりがある方に適しています。
3. 鼻ピローマスク

鼻の穴にあてるコンパクトなタイプ。視界を妨げず、軽量ですが、好みが分かれます。
※ 治療開始後でもマスクの変更は可能です。
違和感がある場合は遠慮なくご相談ください。
CPAP治療中のデータ管理とフォロー体制
CPAP装置には通信機能が備わっており、毎日の使用状況が医療機関に自動で送信されます。
以下のようなデータが常時モニタリングされています:
- 装着時間
- 無呼吸低呼吸指数(AHI)
- 空気漏れの有無
- マスクのフィット状況 など
これらのデータをもとに、必要に応じて設定の調整やマスクの変更を行います。
当院では、医師・看護師・臨床工学技士が連携し、患者さんの快適な治療継続をサポートしています。
より良い睡眠のために
CPAPは「睡眠の質」を改善する治療ですが、「睡眠の量(時間)」も重要です。
どちらもバランスよく保つことで、日中のパフォーマンスや健康状態の改善が期待できます。
お困りのことがあればお気軽にご相談ください
「マスクが合わない」「息苦しい気がする」など、どんな小さなことでも構いません。
継続が治療効果に直結しますので、ご不安があればスタッフまで遠慮なくお声がけください。