当院で電子処方箋の発行ができるようになりました。

電子処方箋とは何か、どう便利なのか、について今回は解説いたします。

電子処方箋とは?

電子処方箋は、従来の紙の処方箋とは異なり、デジタルデータでの運用となります。

データの流れは以下の通りです。

① 診察時に医師が処方箋の情報を「電子処方せん管理サービス」というシステムに登録する

②患者さんが薬局で受付する

③薬局で薬剤師が「電子処方せん管理サービス」から処方箋の情報をダウンロードして調剤する

クラウド上に構築された「電子処方せん管理サービス」を介して、医療機関・薬局間での処方・調剤情報などの情報共有が可能となり、患者さんの全国の医療機関・薬局での過去の薬剤情報も参照することができます。

メリットは?

1. 同じ薬が重複して投薬されたり、飲み合わせの悪い薬が投薬されることを防ぐ


電子処方せんに対応した医療機関・薬局では、患者さんが複数の医療機関・薬局で処方・調剤を受けていたとしても、直近の処方・調剤情報を確認することができます。(患者さんの同意がある場合に限ります

これまでお薬手帳や患者さんの記憶をもとに確認するしかなかった処方情報ですが、正確な情報をもとに処方・調剤が可能となり、患者さんにより良い医療を提供することが可能となります。

2. ペーパーレスで紛失の恐れなし

処方せんが紙で発行されないため、患者さんが処方せんの紙を薬局に持っていく必要がなくなります。そのため、紛失の心配もなくなります。
また、「マイナンバーカード」または「健康保険証と引換番号」があれば、処方せんを持ち歩かなくても済むので、処方せんの使用期間内(通常交付日を含めて4日)であればいつでも都合のよいときに調剤を受けることができます。

3. 転居や転勤後も安心

「電子処方せん管理サービス」にてデータが共有されているため、全国どこの医療機関や薬局を訪れても、継続的な診療や処方を受けやすくなります。

4. 自身の健康管理に役立つ

「電子処方せん管理サービス」の情報はマイナポータル等に連携されるため、患者さん自身で薬剤情報を把握しやすくなります。

実際の流れ

マイナンバーカードで受付する場合
【クリニックで】

<Step1> 
受付:顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置く


<Step2> 
本人確認:顔認証または暗証番号で認証を行う


<Step3>  
過去のお薬情報の提供の同意/不同意を選択:「同意する」と、医師が、患者さんが服用中・過去に服用していた薬の情報(電子処方せん対応施設では直近~過去3年分)、特定健診の結果をデータで確認できるようになります。同意しなくても電子処方せんの利用は可能です。


<Step4>
処方せん発行方法として電子処方せんを選択:「電子処方せんを希望する」を選ぶ


<Step5> 
診察:いつもどおりに診察をうける。Step3で過去のお薬情報の提供に同意すると、医師は過去のお薬情報をデータで確認しながら診察をすることが可能となる


<Step6>
会計:いつもどおりに会計する
 紙の処方せんではなく、「処方内容(控え)」が渡される

【薬局で】

<Step7> 
受付:顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置く


<Step8> 
本人確認:顔認証または暗証番号で認証を行う


<Step9> 
過去のお薬情報の提供の同意/不同意を選択:「同意する」と、医師が、患者さんが服用中・過去に服用していた薬の情報(電子処方せん対応施設では直近~過去3年分)、特定健診の結果をデータで確認できるようになります。同意しなくても電子処方せんの利用は可能です。


<Step10> 
調剤を受けたい処方せんを選択
(※)事前にFAX・アプリなどで薬局に引換番号を伝えている場合、受付していない処方せんはないと表示されることがある


<Step11> 
薬の受け取り・会計:いつもどおりに薬を受け取り、会計

※薬局でマイナンバーカードで受付する場合には、処方内容(控え)は使用しない

※処方を受けた後は、処方内容(控え)は破棄して問題ない

健康保険証で受付する場合
【クリニックで】

<Step1> 
受付:健康保険証で受付する

<Step2> 
診察医師に電子処方せんを希望する旨を伝える

 ※健康保険証の場合、医師は、患者さんが服用中・過去に服用していた薬の情報と特定健診の結果をデータで確認することができません

<Step3>
会計:いつも通りに会計する。紙の処方せんではなく、「処方内容(控え)」が渡される。

【薬局で】

<Step4> 
受付:薬局の窓口で、電子処方せんであること、処方内容(控え)に記載された引換番号を伝える

 ※健康保険証で受付する場合、薬剤師は、患者さんが服用中・過去に服用していた薬の情報ータで確認することができません

 ※処方内容(控え)を紛失して引換番号がわからない場合には処方せんを発行した医療機関へお問い合わせください

<Step5> 
薬の受取・会計:いつもどおりに薬を受け取り、会計する

当院で電子処方せんを希望される患者さんへ

マイナンバーカードで受付される方は、上記の通り、カードリーダーでの受付時に「電子処方せんを希望する」を選択してください。

保険証で受付される方は、医師の診察時に電子処方せんを希望する旨を口頭でお申し出ください。

お薬の受け取りは、電子処方せん対応薬局で行う必要があります。近隣の対応薬局をお伝えいたしますのでご安心ください。