今月、マイコプラズマ肺炎が急増しているというニュースを耳にされた方もいらっしゃるかと思います。
今回は、マイコプラズマ肺炎について解説いたします。
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という病原体に感染して起こる病気です。4年周期でオリンピックイヤーに流行することが知られています。
<好発年齢>
幼児から成人まで幅広い年代で発症しうる病気ですが、小学生〜20歳代のかたに多くみられます。
<潜伏期間>
2〜3週間
<感染経路>
飛沫感染および接触感染
<症状>
発熱、だるさ、頭痛が出現し、その数日後から咳が出始めます。最初は乾いた咳で始まり、咳は経過で徐々に悪化し、熱が下がった後も3〜4週間続きます。鼻炎や痰がらみの咳が出現することもあります。
肺炎にしては元気であることが多く、「歩く肺炎」とも言われ、気づかずに出かけて人にうつしてしまうことがあります。
<診断>
症状経過や、聴診所見、胸部レントゲン写真などの結果を総合して、マイコプラズマ肺炎が疑われる場合、
当院では院内迅速検査(マイコプラズマ抗原検査)を行います。
<治療>
抗生物質による治療が基本となりますが、近年では薬剤耐性菌の出現が問題となっています。
<予防法>
特別なことはなく、手洗い、アルコール消毒、マスク着用が予防に有効です。