平成28年度高齢社会白書によると、2012年は認知症患者数が約460万人、65歳以上の高齢者人口の15%という割合でしたが、2025年には、約700万人、65歳以上の高齢者の5人に1人、20%が認知症になると見込まれています。
超高齢社会で暮らす私たちにとって、認知症は誰もがなりうる病気で、他人ごとではありません。
イギリスの医学誌ランセットは、2024年7月31日に認知症のリスク要因に関する研究をまとめた報告書を発表しました。
今回は、この気になるリスク要因についてご紹介いたします。前回2020年の報告では12項目だったリスク因子に2項目が追加され、今回は14項目のリスク因子が提示されています。
これらの全ての項目が認知症の原因となるという証拠があるわけではありませんが、いずれの項目もこれまでの研究で認知症の発症との関連があることが示されています。
また、これらの項目への対策を行うことで、認知症発症を最大45%防ぐまたは遅らせることができることが指摘されています。
高血圧
高コレステロール血症
糖尿病
喫煙
過度の飲酒
肥満
運動不足
聴力障害
視力障害
うつ
低い教育水準
頭部外傷
社会的孤立
大気汚染
ランセットの報告では、生涯にわたってこれらの因子に対しての対策を行うことが重要であると強調されています。
それぞれのリスク因子と認知症発症の関連についての詳細は、また後日お話しいたします。