家での血圧測定はなぜ重要か
家庭血圧(家で測った血圧)は、診察室血圧(病院や健康診断で測った血圧)と比べ、心臓病や血管病、腎臓病のリスクにより密接に関連することが知られています。
診察室血圧は、測定時の体調やストレスなどの影響を受けやすく、家庭血圧と比べ日常的な真の 血圧が反映されません。診察室血圧のみの評価では、前回お話しした白衣高血圧や仮面高血圧といった病態を見逃してしまう可能性があります。
また、心臓血管病のリスクとして知られる早朝高血圧や夜間高血圧については、家庭血圧の測定によって診断が可能です。
早朝高血圧と夜間高血圧については、また後日お話しいたします。
おすすめの血圧計は?
血圧計は以下の理由で手首式よりも上腕式(肘の部分で測るもの)がおすすめです。
血圧測定の際には、カフの中心が心臓の高さにくる様にする必要があるのですが、上腕式の方が手首式よりも心臓の高さで測定がしやすく、より正確な値が得られる可能性が高いです。
また、手首式ですと、前腕の細い動脈で血圧を測るので、この細い動脈に狭いところがあると上手く測定できません。手首の腱などの影響でうまく測定ができない方も中にはいます。
以上より、これから購入される場合は上腕式がおすすめです。インターネットや家電量販店などで4,000円〜6,000円程で購入可能です。
血圧測定のタイミングは?
①朝
起きてトイレに行った後、椅子に座って測る
<ポイント>
・朝の薬を飲む前、朝食前に測る
・3分くらい安静に座ってから測る
・測定の前に喫煙やカフェインの摂取はしない
・暑すぎたり寒すぎたりしない、快適な環境で測る
②夜
椅子に座って測る
<ポイント>
・3分くらい安静に座ってから測る
・測定の前に喫煙やカフェインの摂取はしない
・入浴直後、飲酒直後の測定は避ける
測定回数
1回のタイミングで 「原則 2 回」測定できることが望ましいですが、1回でも問題はありません。
高血圧の診断や血圧のお薬の効果を判定するに は、朝・晩それぞれの7 日間(少なくとも 5 日間)の血圧測定値が必要です。
お忙しい方も、ぜひ月に5日間の測定をお願いいたします。
どちらの腕?
血圧計を購入して初めて血圧を測定する際には、両方の腕で血圧を測る必要があります。左右の腕で血圧に差のある場合があるためです。
血圧の差はいくつ以上??
特に左右の腕で測定値に大きな差が出やすいのは高齢の方です。これは腕の血管が狭くなったりしている場合があるためだと考えられています。
もし、左右の腕での測定結果に殆ど差がなければ、原則として利き手の反対側での測定が推奨されていますが、定期的に左右両方の腕での測定値に差が出ていないかを確認することをお勧めします。
血圧の測り方については以下のページでわかりやすく解説されていますので、ご参照ください。
OMRONウェブサイト
https://www.healthcare.omron.co.jp/zeroevents/bloodpressuremonitor/howtouse.html