白衣高血圧とは
白衣高血圧という言葉は、聞いたことがある方も多いかと思います。
病院や健康診断で血圧を測ると高血圧(収縮期血圧 140 mmHg かつ/または拡張期血圧 90 mmHg 以上 )を指摘されるのに、家で血圧を測ると問題がない(収縮期血圧 130 mmHg 未満かつ拡張期血圧 80 mmHg 未満)という状態のことです。
白衣高血圧は高血圧患者さんの 15〜30%にみられ、高齢者で頻度が増すことが知られています。
「白衣高血圧は、一時的な緊張で血圧が上がっているだから、心配しなくて大丈夫」と思っている方も多いかと思います。
しかし、実際には、白衣高血圧の人は、高血圧でない人と比べて、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが高いことが知られています。
また、白衣高血圧の人は、持続性高血圧(家でも診察室でも高血圧)に移行する可能性が高いことが報告されています。
仮面高血圧とは
仮面高血圧という言葉は聞いたことがない方が多いかと思います。
病院や健康診断では血圧が収 縮期血圧 140 mmHg 未満かつ拡張期血圧 90 mmHg 未満である一方で、家で血圧を測定すると、高血圧(収縮期血圧 135 mmHg 以上かつ/または拡張期血圧 85 mmHg 以上)であるという状態のことです。
高血圧と診断されていない一般住民の 10〜15%、高血圧治療中の患者さんの 9〜23%が仮面高血圧であるといわれています。
仮面高血圧の人の脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクは、持続性高血圧(家でも診察室でも高血圧)の人と同程度であることが知られています。
以下に当てはまる方は仮面高血圧のリスクが高いと言われています。
- 降圧剤内服中の高血圧患者さん
- 喫煙者
- 飲酒量が多い方
- 精神的ストレスが多い方
- 心拍数が高い方
- 肥満
- 糖尿病
高血圧の内服治療中の患者さんで、診察室での血圧は正常である一方、家での血圧が高い方(治療下仮面高血圧)は、持続性高血圧と同等の心臓血管病のリスクがあることも知られています。家での血圧測定を継続し、結果によって降圧薬を調整してもらうことが重要です。
家で血圧を測りましょう
病院や職場での血圧測定のみでは、白衣高血圧や仮面高血圧を見逃してしまいます。
次回は家庭での血圧測定の具体的な方法と重要性についてお話しいたします。