今回は、「家族性高コレステロール血症」についてお話しいたします。
「家族性コレステロール血症」は、生まれつきLDLコレステロールが高値となる「遺伝性疾患」です。
日本人の300人に1人程度といわれており、昨年、モデルの藤田ニコルさんが公表されたことでも話題になりました。
若い頃からLDLコレステロールが高いということ以外、自覚症状がないため、診断されていないケースが多くあります。
一部の患者さんでは、皮膚やアキレス腱にコレステロールが沈着し、皮膚黄色腫(黄色っぽい隆起)やアキレス腱の肥厚を認めます。
若い頃から動脈硬化が進行するため、20代〜30代で心筋梗塞などを発症する方もおられます。また、遺伝性疾患のため、両親・兄弟・祖父母などの血縁者に心筋梗塞など動脈硬化の病気を発症する方が多いということも特徴です。
LDLコレステロールを低下させる薬物治療が重要で、早い時期から治療を行うことで、動脈硬化性疾患の発症を防ぐことができます。また、高血圧、糖尿病、肥満や喫煙など他の動脈硬化のリスク因子の治療、回避も重要です。
以下に当てはまる方は、ぜひ一度医療機関を受診し、ご相談ください。
- 未治療時のLDLコレステロールが180mg/dL以上である
- 家族(両親、祖父母、兄弟、子供、おじ、おば)が50歳代以下で狭心症や心筋梗塞と診断されている