脂質異常症の診断には、以下の基準が用いられます。
LDLコレステロール | 140mg/dl以上 | 高LDLコレステロール血症 |
HDLコレステロール | 40mg/dl未満 | 低HDLコレステロール血症 |
中性脂肪(トリグリセライド) | 150mg/dl以上(空腹時採血) 175mg/dl以上(随時採血) | 高トリグリセライド血症 |
では、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が上昇することで、どのようなリスクがあるのでしょうか?
6年をかけて約4万7000人の高コレステロール血症の日本人を対象に行われた大規模な研究において、LDLコレステロールが160mg/dlを超えると、心筋梗塞などの心臓病のリスクが約2.6倍に、180mg/dlを超えると5.7倍になったという結果が出ています。(出典:Circ J 2002;66: 1087 –1095)
また、HDLコレステロール(善玉コレステロール)値が低値であると、どのようなリスクがあるのでしょうか?
18年をかけて約9000人の日本人を対象に行われた研究において、HDLコレステロールが40mg/dl未満の人は心筋梗塞のリスクが約2.5倍上昇したという結果が出ています。(出典:Stroke. 2007;38:1744–1751)
では、中性脂肪はどうでしょうか?
日本人約6800人を対象とした18年間の研究(NIPPON DATA90)において、随時トリグリセライド(中性脂肪)が210mg/dlの場合、150〜179mg/dlの場合に比べ約1.5倍上昇したという結果が出ています。
また、中性脂肪が500mg/dlを超えると、時に死に至りうる病気である急性膵炎の発症リスクが高まることがわかっており、すぐに病院を受診することをお勧めいたします。
目標とするコレステロール値は、患者さんごとの動脈硬化のリスクによって個別に判断が必要となりなす。健康診断でコレステロール値や中性脂肪値の異常を指摘された方は、ぜひ一度ご相談ください。