気候の変化、寒暖差に伴って、風邪を引いてしまうことは誰にでもあります。
風邪症状が出ると、市販の総合感冒薬を内服する方も多いかと思います。
総合感冒薬にはいくつか注意点があり、それは病院で処方される総合感冒薬についても同じです。
「PL顆粒」や「ピーエイ配合錠」を例としてご説明いたします。
この薬剤には4つの成分が含まれています。
①第1世代抗ヒスタミン薬(プロメタジンメチレンジサリチル酸塩)
鼻水などの鼻炎症状を緩和する効果のある薬剤です。古いお薬で、強い眠気が出るお薬のため、今では単独ではほとんど使われなくなりました。車の運転はもちろんですが、仕事や勉強をする予定のある人は飲むべきではありません。抗コリン作用という作用を有しており、高齢者では尿が出なくなったり、せん妄を引き起こすことがあります。前立腺肥大や緑内障などの持病のある患者さんには使用できません。
②サリチルアミド
サリチル酸系の解熱剤です。まれではありますが、インフルエンザ脳炎・脳症を悪化させる可能性があります。特に小児のインフルエンザ患者においては禁忌とされています。
③アセトアミノフェン
小児から成人、妊婦さんにも用いることができる解熱鎮痛剤です。総合感冒薬に含まれているアセトアミノフェンの量は、体重15kgほどの方に用いられる量です。
④無水カフェイン
覚醒作用があります。コーヒー1杯に含まれる量より少ない量です。抗ヒスタミン薬による強い眠気を緩和するために配合されています。
このように、総合感冒薬には、さまざまな成分が含まれています。
時々、「風邪をひきそうになったら飲みたいから、総合感冒薬を処方して欲しい」と希望される方がいらっしゃいますが、自己判断で内服することは勧められません。