気管支喘息は気管支に慢性的な炎症があり、さまざまな刺激に反応して発作的に気管支が狭くなる病気です。
喘息発作が出ると、咳や痰が出て、ヒューヒュー、ゼーゼーいう息苦しさを伴う呼吸となります。
夜間や早朝に悪化することが多く、風邪や季節の変わり目、気候の変化をきっかけに発作が出やすくなります。
原因
アレルギーが原因であることが多いです。アレルゲンで最も重要なものはハウスダスト、ダニです。
それ以外では、カビ類、花粉、昆虫、ペット、喫煙、そしてPM2.5などの大気汚染物質です。
原因物質が特定できない場合もあります。
検査
呼吸機能検査(スパイロメトリー)
息を吸ったり吐いたりして、肺の機能を調べる検査です。
1秒量(1秒間で吐くことができる息の量)などをチェックすることで、気管が狭いかどうかの判断ができます。
アレルギー検査
血液検査で可能なアレルギー検査は以下のものがあります。
- 血中好酸球
- 特異的IgE検査 (View39)
治療
喘息の治療薬は、発作を予防する長期管理薬と発作時に使用する発作治療薬に分けられます。
重要なのは、発作予防の長期管理薬です。
長期管理薬(発作予防)
吸入ステロイドが治療の基本となります。
吸入ステロイドは、
- 喘息症状を軽減する
- 呼吸機能を改善する
- 気道過敏性を改善する
- 発作の頻度と重症度を軽減
- 喘息死を減少させる
ことがわかっており、大変有用です。
病状に応じて長時間作用型β2刺激薬(LABA)やロ イコトリエン拮抗薬(LTRA)を吸入ステロイドと併用します。
発作治療薬
短時間作用型β2刺激薬(SABA)
発作が起きたときに使う薬です。
気管支を広げる働きがあり、すぐに効き目が現れますが、根本的な治療にはなりません。
長期管理薬を使わずに、発作のたびに発作治療薬を使用していると、気道の炎症が進行し、喘息が悪化する恐れがありますので、注意が必要です。